梅、桜、藤、萩、柳など、四季折々の花木をあしらった「花札」。「こいこい」や「花合わせ」など、遊びに使うカードとしてよく知られています。
「花札」の歴史は、古くは17世紀まで遡ります。安土桃山時代、ポルトガルから「カルタ」(ポルトガル語でカードの意味)が伝来し、日本にカードゲームがはじめて伝わりました。1760年代には印刷技術の向上により、広く庶民にも流行したといわれています。
「花札」の前身である「花合わせカルタ」という遊び札が、江戸時代、城内の茶坊主によって発明され、瞬く間に多くの人々に知られるところとなります。
印刷技術の向上と共に庶民にも親しまれた「花札」は、花柳界や商家など華やかな富裕層の人々にも愛されていました。美しく風光明媚な絵柄は、花見や節句を祝う盃など、季節の行事を描き、上流階級の贅沢な趣味を伺い知ることができます。
かつて遊女たちを虜にした「花札占い」は、めまぐるしい恋模様を占うことに使われ、わたしたち日本人のもつ情緒と心の詰まった、伝統的な占術です。
「花札占い」の歴史は、その多くが戦火によって失われてしまいましたが、あらゆる文献に残る数少ない記述を手がかりに、著者の手によって再構築され、伝統を受け継ぎながらも、瑞々しい現代版として、この『花札占いカード 雪月花』が誕生しました。
この『花札占いカード 雪月花』は、元々の花札と同じ構成でつくられています。伝統的な花札本来の絵の構図はそのままに、よりポップに、そしてビビッドに描かれ、「花札」に親しみのない方でも扱いやすい現代的なデザインに仕上がっています。